第10回 ネットワーク生態学シンポジウム

開催日:2013年9月2日(月)-3日(火)

開催地:かんぽの宿 有馬

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ポスター優秀賞

2013年9月2日(月)-3日(火)かんぽの宿 有馬にて開催された第10回ネットワーク生態学シンポジウムのポスター優秀賞は,参加者の投票により久壽米木啓悟(筑波大学) の「互恵的謝辞ネットワークに見える引用ネットワークとGender Diversity 」に決定しました.

シンポジウム概要

第10回目のシンポジウムとなる今回は,2013年9月2日(月)-3日(火)の2日間,かんぽの宿 有馬にて合宿形式で開催致します.

チュートリアルを含む3件の招待講演によって,ネットワークに関する知識を深められるだけでなく,一般発表はすべてポスター発表にすることで,多くの参加者とのより深い議論が可能になっています.ネットワーク研究を始めようとする大学生,大学院生から,ネットワークについて造詣の深い研究者まで幅広い層がお互いに刺激し合えるような合宿となっておりますので,皆様ふるってご参加下さい.

一般セッションでは,「ネットワーク」に関わる情報通信,統計物理, アルゴリズム, 生物学,経済学,社会学などの分野からポスター発表を幅広く募集致します.

おもなトピックス


  • 複雑ネットワーク(スモールワールド・スケールフリーモデル)

  • ウィルス拡散や連鎖的被害(停電、渋滞、倒産など)の防御策

  • Webポータルやコミュニティの抽出

  • 企業等のソーシャルキャピタルの調査・活用, ブログ解析

  • 情報空間の可視化

  • ネットワーク経済指標

  • ネットワーク中心性

  • SNS, 口コミや情報流通

  • 生物的・社会的メカニズムに誘発されたネットワーク設計

  • 動的適応通信,自律分散システム

  • P2P,センサやアドホックネットワーク

  • 自己組織化経営

重要日程

  • 発表参加申込締切:20136月1日(

        • 発表者名,発表タイトル,著者リスト,概要300字,論文(Extended abstract)

        • 論文締切:2013年7月1日(アップロード方法は参加申込者に別途通知します

  • シンポジウム開催日:2013年9月2日(月)-3日(火)

申し込み

  • 発表参加登録用のGoogleフォーム:リンク

  • 聴講参加登録用のGoogleフォーム:リンク

提出論文(Extended abstract)について

  • フォーマット:任意(A4サイズ)

        • 1ページ目にタイトル,著者名,所属を含むこと

  • ページ数:2ページ

  • ファイル形式:PDF

  • 提出締切:2013年7月1日(月)

  • アップロード方法は参加申込者に別途通知します

ポスターについて

  • SpatialChat(https://spatial.chat/)を使用したオンラインポスターセッションを開催予定です

  • フォーマット:任意(A1横長サイズ<縦594mm,横841mm>)

  • ファイル形式:SVGまたはPDF(SVG形式に変換して使用します)

  • 提出締切:2013年7月1日(月)

  • アップロード方法は参加申込者に別途通知します

プログラム(確定版)

  • 2021年3月1日(月)

  • 10:00-10:10 オープニング

  • 10:10-11:10 招待講演(Sansan株式会社・真鍋 友則様)

  • 11:10-11:20 休憩

  • 11:20-11:45 ポスターショートアピールタイム(1人:2分30秒)

  • 11:45-11:50 SpatialChatのレクチャー

  • 11:50-12:50 ポスターセッション1

1. 渡邊駿介(静岡大学)/一ノ瀬元喜(静岡大学):Mapperネットワークに基づくバスケットボールプレイヤーの分類

2. 久壽米木啓悟(筑波大学)/佐野幸恵(筑波大学):互恵的謝辞ネットワークに見える引用ネットワークとGender Diversity

3. 宮川大樹(静岡大学)/一ノ瀬 元喜(静岡大学):Hawkes過程による連鎖的なゲーム実施を導入した空間囚人のジレンマゲーム

4. 中里直樹(山形大学)/田中敦(山形大学):低温酸化燃焼機構に関わるネットワーク構造とスケールフリー性

  • 12:50-14:00 昼食

  • 14:00-15:00 招待講演(東京大学・白山 晋先生)

  • 15:00-15:10 休憩

  • 15:10-16:10 ポスターセッション2

5. 本井勇伍(兵庫県立大学)/中桐斉之(兵庫県立大学) :ファッションの伝搬の格子モデル

6. 中条雅貴(北陸先端大)/林幸雄(北陸先端大):Feedback Vertex Setを用いたループ強化によるネットワーク頑健性の向上

7. Wentao Xu(Nagoya University)/Kazutoshi Sasahara(Tokyo Institute of Technology):online presentation

8. 臼井佑太郎(早稲田大学)/鳥海不二夫(東京大学)/菅原俊治(早稲田大学):記事紹介導入モデルによるSocial Networking Service活性化の提案

9. 安武公一(広島大学)/小山歩優(広島大学):複雑ネットワーク構造を組み込んだSIRモデルによるCOVID-19禍の「Go Toトラベル」政策に関するシミュレーション分析

  • 16:10-16:20 休憩

  • 16:20-17:20 招待講演(長崎大学・伊東 啓先生)

  • 17:20-17:30 クロージング

ポスター優秀賞記念講演

講演者:久壽米木 啓悟(筑波大学大学院)

タイトル:学術論文における謝辞ネットワーク構築と構造

概要:

学術論文に見られる謝辞には、研究協力者への感謝,研究費の提供元などが、比較的自由な文面で記載されている。謝辞に見られる研究協力者への言及は、引用や共著と同様、その研究への貢献を示すと同時に,研究者間の人間関係を示している。しかし,謝辞文面の自由度の高さや個人の特定が困難なことなどを理由に,謝辞に見られる研究者間の関係に対して大規模な研究を行っているものは少ない。

そこで我々は、オープンアクセスジャーナルから収集した謝辞データと、大規模な学術データ(Microsoft Academic Graph)とを統合することで、謝辞で言及されている研究者の特定を行った。そのデータから研究者間の関係を示す、18万ノードからなる謝辞ネットワークを構築し,その構造について紹介する。

ポスターセッション

  • P1:松林 達史(ALBERT)/田中 駿祐(ALBERT):逐次的グラフマッチングを用いた複数カメラ間での物体追跡

  • P2:大久保 雄太(広島市立大学)/今井 哲郎(広島市立大学):看護系論文共著ネットワークにおける地縁情報を用いたリンク予測

  • P3:松林 達史(ALBERT)/水船 公輔(ALBERT)/行武 俊秀(ALBERT,明治大学):階層的Modularity分割を用いた教師なし動画シーン境界検出

  • P4:山野 泰子(東京大学)/John Jongho Park (Penn State University):サステナビリティ教育におけるアンケート調査に基づく学生の認識の変化の分析

  • P5:伊藤 柊太(東京工科大学)/伏見 卓恭(東京工科大学):動的ハイパーグラフのEmbeddingによる重要構造変化の解析

  • P6:宮崎 聖人(北海道大学)/高橋 伸幸(北海道大学):ゴシップの適応論的意義のシミュレーションによる解明

  • P7:劉庶(東京大学)/鳥海不二夫(東京大学):実ネットワークにおける構造的マルチラベルのマイニング

  • P8:岡本洋(東京大学)/鈴木雄大(東京大学):マウス視覚野高解像コネクトームにおけるコミュニティ構造:腹側および背側経路

招待講演

  • 講演者:真鍋 友則(Sansan株式会社)

  • タイトル:名刺交換ネットワークを用いた企業ブランド調査と企業パフォーマンス

  • 概要:

ESG (Environmental, social and corporate governance) 投資を始め、企業の無形資産価値への投資の規模が拡大している。企業のブランドや社会的評判は無形資産の重要な一部である。しかし, 特にB2B企業のような、一般認知度の相対的低くステークホルダーの同定が難しい企業についての、ブランドや評判に関する大規模な調査や査定は、これまで困難であった。この問題に対し Sansan 社では、企業の名刺保有者に任意のアンケート調査を行い、B2B 企業のブランド評価と評判を収集するサービスを開発した。名刺保有者は通常企業の関係者と面会経験を持っており、ビジネス上の関係性が期待される調査対象者である。今回我々は、このブランド評価データと評判をSupervised topic models を用いて分析し、ブランド研究上の課題とされてきた B2B 企業のブランドの形成要因を抽出した。さらに、抽出されたブランド認知形成要素と, 企業のパフォーマンスおよびネットワーク構造の間の関係を分析し、その関係性を明らかにした。ネットワークデータを調査パネルとして活用した事例の一つとして、報告する。


  • 講演者:白山 晋 先生(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)

  • タイトル:複雑ネットワーク分析の再考とその広がり(A Revisit of Complex Network Analysis and its Expanding World)

  • 概要:

本講演では,複雑ネットワーク分析の再考とその広がりという2部構成で話を進める.第1部では,複雑ネットワークの構造分析,およびシミュレーションを利用した事象・現象の分析を再考し,形式的ではあるが,いくつかの式によってその枠組みを示す.その上で,機械学習との相性に注目し,構造分析に関連してコミュニティ抽出,シミュレーションを利用した分析における機械学習の応用という2つの話題を提供する.第2部では,多くの事例の中から2つに絞って,その広がりを紹介する.一つは視線分析,もう一つは(一見して複雑ネットワーク分析と結びつかない)流体現象の分析という事例である.


  • 講演者:伊東 啓 先生(長崎大学熱帯医学研究所)

  • タイトル:数理モデルから考察する性感染症の存続性とヒト社会への適応

  • 概要:

性感染症は古くから存在する人類の脅威である。日本における梅毒の症例増加に例を見るように、治療法の有無に関わらず、性感染症の拡散は現代の先進国においても留まるところを知らない。性感染症の効果的な拡散防止戦略をたてるためには、その拡散効果を理解することが重要であり、拡散数理モデルの構築や、ヒトの性接触のネットワーク構造の理解は疫学や公衆衛生学上で大きな意義を持つ。その一方で、性感染症の生態学的な側面も非常に興味深い。なぜなら、性感染(水平伝播)と母子感染(垂直伝播)で感染を広げる性感染症は、生物が避けて通れない行為(交尾と出産)を利用した巧みな存続戦略をもってヒト社会に適応していると考えることができるからだ。ここでは、我々が開発した拡散数理モデルと、日本における性接触頻度のWeb調査の結果を紹介し、性感染症の存続性とヒト社会への適応について考察する。


ネットワーク勉強会

  • 発表者:三浦崇寛(東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程)

  • 発表論文タイトル:Scaling up real networks by geometric branching growth

  • 発表論文著者:Muhua Zheng, Guillermo García-Pérez, Marián Boguñá, and M. Ángeles Serrano 

  • 発表論文URL:https://www.pnas.org/content/118/21/e2018994118.short

  • 発表論文Abstract:
    Real networks often grow through the sequential addition of new nodes that connect to older ones in the graph. However, many real systems evolve through the branching of fundamental units, whether those be scientific fields, countries, or species. Here, we provide empirical evidence for self-similar growth of network structure in the evolution of real systems—the journal-citation network and the world trade web—and present the geometric branching growth model, which predicts this evolution and explains the symmetries observed. The model produces multiscale unfolding of a network in a sequence of scaled-up replicas preserving network features, including clustering and community structure, at all scales. Practical applications in real instances include the tuning of network size for best response to external influence and finite-size scaling to assess critical behavior under random link failures.