第14回 ネットワーク生態学シンポジウム

開催日:2017年8月20日(日)-21日(月)

開催地:JAIST 北陸先端科学技術大学院大学

ポスター優秀賞

2017820日-21日にオンライン開催された第14回ネットワーク生態学シンポジウムのポスター優秀賞は,参加者の投票によりKazutaka Shoji, Adam L Cronin の「Automatically detection of contact based interaction networks in ants 」に決定しました.

シンポジウム概要

第14回ネットワーク生態学シンポジウムは,2017820日()-21日(月)に北陸先端大開催を予定しています.

今回は3件の講演および,ポスター発表を行います.ネットワーク研究を始めようとする大学生,大学院生から,ネットワークについて造詣の深い研究者まで 幅広い層がお互いに刺激し合えるようになっておりますので,皆様ふるってご参加下さい.

ポスターセッションでは,「ネットワーク」に関わる 情報通信,統計物理, アルゴリズム, 生物学,経済学,社会学などの分野からポスター発表を幅広く募集致します.

おもなトピックス


  • 複雑ネットワーク(スモールワールド・スケールフリーモデル)

  • ウィルス拡散や連鎖的被害(停電、渋滞、倒産など)の防御策

  • Webポータルやコミュニティの抽出

  • 企業等のソーシャルキャピタルの調査・活用, ブログ解析

  • 情報空間の可視化

  • ネットワーク経済指標

  • ネットワーク中心性

  • SNS, 口コミや情報流通

  • 生物的・社会的メカニズムに誘発されたネットワーク設計

  • 動的適応通信,自律分散システム

  • P2P,センサやアドホックネットワーク

  • 自己組織化経営

重要日程

  • 発表参加申込締切:2017623日()-->延長:630日(金)

        • 発表者名,発表タイトル,著者リスト,概要300字,論文(Extended abstract)

        • 論文締切:20177月14日()-->延長:721日(金)アップロード方法は参加申込者に別途通知します

  • 聴講参加申込締切:2017年7月14日(金)-->延長:7月21日(金)

  • シンポジウム開催日:2017820)- 21日(月)

申し込み

  • 発表参加登録用のGoogleフォーム:リンク

  • 聴講参加登録用のGoogleフォーム:リンク

提出論文(Extended abstract)について

  • フォーマット:任意(A4サイズ)

        • 1ページ目にタイトル,著者名,所属を含むこと

  • ページ数:2ページ

  • ファイル形式:PDF

  • 提出締切:2017年7月14日(金)-->延長:7月21日(金)

  • アップロード方法は参加申込者に別途通知します

ポスターについて

  • SpatialChat(https://spatial.chat/)を使用したオンラインポスターセッションを開催予定です

  • フォーマット:任意(A1横長サイズ<縦594mm,横841mm>)

  • ファイル形式:SVGまたはPDF(SVG形式に変換して使用します)

  • 提出締切:2017年7月14日(金)-->延長:7月21日(金)

  • アップロード方法は参加申込者に別途通知します

プログラム(確定版)

  • 8月20日(日)

    • 13:30-14:00 受付

    • 14:00-15:30 チュートリアル講演 鬼頭 司会:鳥海

    • 15:30-15:35 休憩

    • 15:35-16:15 ポスター3分間アピール 司会:守田

    • 16:15-17:45 ポスターセッション 奇数版

    • 18:00- 旅館へピストン輸送

    • 18:45-20:45 懇親会


  • 8/21(月)

    • 7:00-8:30 朝食

    • 8:15- 旅館からピストン輸送

    • 9:00-10:30 チュートリアル講演 林

    • 10:30-10:35 休憩

    • 10:35-12:05 オーラル発表 3件x30分 司会:伏見

    • 12:05-13:35 昼食+運営委員会

    • 13:35-14:15 ポスター3分間アピール 司会:守田

    • 14:15-15:45 ポスターセッション 偶数版

    • 15:45-16:45 チュートリアル講演 松林 司会:林

ポスターセッション


  • p1 Automatically detection of contact based interaction networks in ants Kazutaka Shoji, Adam L Cronin

  • p2 Cooperation damping in public goods game on complex networks with topology changing. 豊田規人

  • p3 Preferential Attachmentで生成されるネットワークの分裂構造 下邨貴裕, 豊泉洋

  • p4 インフルエンサーマーケティングの収益性分析 水野誠、阿部誠、新保直樹

  • p5 ネットワークコミュニティ分解に基づくメタデータ生成 稲木誓哉、邱シュウレ、渡部雅夫、村田剛志、岡本洋

  • p6 ネットワーク上における感染症拡散へ影響する要因 佐久間大和, 守田智

  • p 7 ネットワーク分析による流行現象の理解 浅谷公威、森純一郎、坂田一郎

  • p8 ノード負荷を考慮した迂回ルーティングによるカスケード故障の抑制 内山直弥,林幸雄

  • p10 機能クラスタ抽出高速化の一検討 伏見卓恭,斉藤和巳,池田哲夫,風間一洋

  • p11 経路長に基づく不通リンク再接続による局所的なリンク構造修復法 松久保 潤, 林 幸雄, 田中 敦

  • p12 遅延耐性ネットワークの搬送蓄積型メッセージフェリーの最適分配 張至杰,林幸雄

  • p13 東北地方の取引ネットワークに基づく企業の新陳代謝解析 山野泰子,坂田一郎

  • p14 二部ネットワークからのコミュニティ検出に基づく情報推薦 邱シュウレ,岡本洋

  • p15 日本における人口移動を考慮したHTLV-1の拡散モデル 伊東啓,小林志穂美,守田智

  • p16 日本の看護学研究における研究者ネットワークの分析 今井哲郎,川口孝泰

  • p17 日本の自動車産業の部品取引構造の変化 郷古浩道

  • p18 複雑ネットワークを用いた感染症伝搬シミュレーション 西村朋樹,谷澤俊弘

  • p19 平面上の道路ネットワークの成長モデルについて 田村 和広,守田 智

  • p20 捕食者回避のための被食者の群れ行動ネットワークの進化 三好星慧, 一ノ瀬元喜

  • p21 類似度ネットワークを用いた2016年米国大統領選両候補支持者のツイート傾向分析 Hiroki Tahara, Takahiro Miura, Yuta Shimizu

  • p23 Network Generation Model based on Multilayer Network focusing on Information Diffusion Chao FAN, Fujio TORIUMI

  • p24 産業連関表の粗視化(質的化)とネットワーク尺度(まとめ) 田村肇

招待講演


  • 講演者

    • 林幸雄氏(JAIST)

  • 題目

    • ネットワーク科学最前線2017 -インフルエンサーと機械学習からの接近

  • 概要

    • インターネットにおける口コミが購買活動を促すことに着目して、SNSのブロガ等でその影響力が強いユーザ(インフルエンサーと呼ばれる)をターゲットに広告宣伝や企業プロモ、人材斡旋まで行うビジネスが台頭し、業種を問わない多くの大手企業を対象に急速に進展しつつある。近い将来、インフルエンサー度を測るソーシャルスコアが学歴より重要になるかも知れないだけに留まらず、Googleの検索エンジンの心臓部PageRankのようにネットワーク構造からインフルエンサーを抽出する優れたアルゴリズムが昨年発表され、そのメッセージ伝搬法がネットワーク科学における浸透解析や中心性指標に新たな息吹を吹き込んで次々と重要な知見を提示している。本講演では、こうした最前線の動向を紹介しつつ、筋の良い機械学習の多くはメッセージ伝搬法であることを指摘する。更に、インフルエンサーの抽出除去が従来最悪のハブ攻撃より深刻なこと及び、その新攻撃を逆手に取った自己組織化によって非常に頑健な玉葱状ネットワークを徐々に成長させながら構築できることを世界に先駆けて発信する。


  • 講演者

    • 鬼頭朋見氏(筑波大学)

  • 題目

    • 産業ネットワークの複雑さを紐解く:企業の多様性と繋がりの非均質性

  • 概要

    • 企業間の取引関係や資本関係等が織り成す産業ネットワークについて、その構造を定量的に理解することが産業のレジリエンスや効率性を高めるために重要であることは、既に広く知られている。しかし企業の視点に立った時、各々の企業はネットワーク全体の維持発展のみを考えて行動するわけにはいかず、実際は他者の戦略を考慮しつつ、限られ偏った資源の制約の下で自身の行動を選択し続けなくてはならない。本講演では、このような企業間の「協争」関係が、如何に企業ネットワークの形成に影響を及ぼしているかについて、産業ネットワークの大規模実データを用いた様々な分析結果を元に議論する。また、産業ネットワーク(企業ネットワーク、サプライネットワーク)研究のアプローチや知見について、複雑ネットワーク分野と経営学・組織科学など社会科学分野の間に存在する大きな溝に焦点を当て、今後本当の意味での領域融合研究を展開していくための方向性についても議論したい。


  • 講演者

    • 松林達史氏(NTTサービスエボリューション研究所)

  • 題目

    • 非負値テンソル因子分解とデータ分析技術

  • 概要

    • 近年データ分析の分野において非負値行列因子分解(NMF : Non-negative Matrix Factorization)が高い注目を集めている.NMFは,データを行列表現することによって,データの持っている潜在的パターン抽出とその要因分析を行うことが可能な技術として,幅広い分野で利用されている.NMFの高次拡張技術である非負値テンソル因子分解(NTF: Non-negative Tensor Factorization)は,より高次のデータを扱うことのできる技術であり,様々なデータに対して要因をより詳細に,かつ多角的に分析することが可能であり,近年更に注目を集めている.例えば,マーケティングサイエンスにおける購買ログ分析では,ユーザの商品し好分析だけでなく,し好の移り変わりや,販促時期や購買店舗の分析など,より詳細かつ多角的な要因分析が必要とされている.三次以上のテンソルデータを分析可能な NTF では,(ユーザ)×(商品)×(購買店舗)を同時に因子分解することによって,「子供のいる主婦層はスーパーマーケットで食玩やお菓子をよく購入する」などの,複数要因の同時分析が可能となる.一方,分析因子要素を増やすことは同時に計算量の増加にもつながる.実世界のデータ分析においては疎(スパース)なデータを扱うことも多く,アルゴリズムや実装上の工夫により計算を効率化させることが必要不可欠である.本チュートリアルでは,NMF/NTFに関する定式化及び実データを用いた分析技術を合わせて紹介する.

参考:複合データ分析技術と NTF[Ⅱ・完] ──テンソルデータの因子分解技術と実応用例──