第11回 ネットワーク生態学シンポジウム
開催日:2014年9月4日(木)-5日(金)
開催地:湘南国際村センター
ポスター優秀賞
2014年9月4日(木)-5日(金)に湘南国際村センターにて開催された第12回ネットワーク生態学シンポジウムのポスター優秀賞は,参加者の投票により井出清貴さん(防衛大学校)の「How do we prevent the distractive epidemic spread ?: A new analytical implication from complex network theory point of viewKiyotaka」に決定しました.
シンポジウム概要
第11回目のシンポジウムとなる今回は,2014年9月4日(木)-5日(金)の2日間,湘南国際村センターにて合宿形式で開催致します.今回は10周年記念特別企画と2件の招待講演を行います.
また,一般発表はすべてポスター発表にすることで,多くの参加者とのより深い議論が可能になっています.ネットワーク研究を始めようとする大学生,大学院生から,ネットワークについて造詣の深い研究者まで幅広い層がお互いに刺激し合えるような合宿となっておりますので,皆様ふるってご参加下さい.
ポスターセッションでは,「ネットワーク」に関わる情報通信,統計物理, アルゴリズム, 生物学,経済学,社会学などの分野からポスター発表を幅広く募集致します.
おもなトピックス
複雑ネットワーク(スモールワールド・スケールフリーモデル)
ウィルス拡散や連鎖的被害(停電、渋滞、倒産など)の防御策
Webポータルやコミュニティの抽出
企業等のソーシャルキャピタルの調査・活用, ブログ解析
情報空間の可視化
ネットワーク経済指標
ネットワーク中心性
SNS, 口コミや情報流通
生物的・社会的メカニズムに誘発されたネットワーク設計
動的適応通信,自律分散システム
P2P,センサやアドホックネットワーク
自己組織化経営
重要日程
発表参加申込締切:2014年8月1日(金)
発表者名,発表タイトル,著者リスト,概要300字,論文(Extended abstract)
論文締切:2014年8月1日(金)アップロード方法は参加申込者に別途通知します
シンポジウム開催日:2014年9月4日(木)-5日(金)
提出論文(Extended abstract)について
フォーマット:任意(A4サイズ)
1ページ目にタイトル,著者名,所属を含むこと
ページ数:2ページ
ファイル形式:PDF
提出締切:2014年8月1日(金)
アップロード方法は参加申込者に別途通知します
ポスターについて
SpatialChat(https://spatial.chat/)を使用したオンラインポスターセッションを開催予定です
フォーマット:任意(A1横長サイズ<縦594mm,横841mm>)
ファイル形式:SVGまたはPDF(SVG形式に変換して使用します)
提出締切:2014年8月1日(金)
アップロード方法は参加申込者に別途通知します
プログラム(確定版)
9/4(木)
13:00- 受付(JR逗子駅発バスで約20分)
14:00-15:00 特別企画「ネットワーク生態学シンポジウムの十年を振り返って」
15:00-15:15 休憩
15:15-16:45 ポスターセッション奇数番
17:00 ロビー集合、バス乗車
17:30-20:00 懇親会(ラ・マーレ・ド・チャヤ)、優秀賞表彰
20:30- ロビーにて2次会、幹事室で3次会...
9/5(金)
7:30-9:00 各自で朝食
9:00-10:30 レクチャー講演1
10:30-10:40 休憩
10:40-12:10 レクチャー講演2
12:10-13:30 昼食+運営委員会(参加者全員お弁当)
13:30-15:00 ポスターセッション偶数番
15:35(16:22) バス発車
ポスターセッション
1.粘菌ネットワークの解析 飯島亮介,白川智弘,高橋達二(1:東京電機大学理工学部 2:防衛大学校)
2.双方向バイパスを持つラダーネットワーク上のブライスのパラドックスについて 小倉史帆,豊田規人(北海道情報大学大学院)
3.同質原理に基づく適応的投票者モデルの相転移 石川 孝(日本工業大学)
4.クラスター性によるコミュニティ抽出と情報拡散速度 熱田圭佑, 森口一郎(東京情報大学情報システム学科)
5.社会的ネットワークへの適用を考えた媒介中心性の近似計算 河本 和也,林 幸雄,松久保 潤(北九州工業高等専門学校,北陸先端科学技術大学院大学)
6.複雑ネットワークにおける伝搬に関する指標と閉路の関係についての考察 坂本智晴 小倉史帆 豊田規人(北海道情報大学大学院)
7.ネットワークの構造的特徴に対する頑健性の解析 石川 尚人, 松久保 潤, 林 幸雄(九州工業大学 情報工学部, 北九州工業高等専門学校 電子制御工学科, 北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
8.複雑ネットワークを用いた多変量時系列データ解析について 谷澤俊弘,中村知道,田谷文彦(高知工業高等専門学校,兵庫県立大学大学院,シンガポール国立大学)
9.非負値テンソル因子分解を用いたパターン抽出とその応用例 松林達史, 幸島匡宏, 林亜紀, 澤田宏(日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
10.論理と言語を共通に表現するペトリネット型推論モデル 鈴木秀明(情報通信研究機構)
11.貪欲法を用いたネットワーク生成手法 臼井翔平,鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)
12.旬シーズンと嗜好を考慮したFlickrに基づく撮影スポットレコメンデーション 加藤風太,熊野雅仁,木村昌弘(龍谷大学大学院理工学研究科電子情報学専攻)
13.政治トピックダイナミクスにおける関係性ビジュアリゼーション 澤井裕介、熊野雅仁、木村 昌弘(龍谷大学理工学研究科電子情報学専攻)
14.共起性に基づいたスポット情報共有サイトの可視化 福田哲也、熊野雅仁、木村昌弘(龍谷大学理工学研究科電子情報学専攻)
15.ネットワークモデル構築のためのTwitterネットワーク構造の分類 宮崎貴大,田中敦, 鳥海不二夫(山形大学大学院理工学研究科,山形大学大学院理工学研究科,東京大学大学院工学系研究科)
16.付加情報と線形制約条件を用いた非負値行列分解による潜在パターン抽出 幸島匡宏, 松林達史, 澤田宏(日本電信電話株式会社 NTTサービスエボリューション研究所)
17.ベクトル空間モデル法に基づくTwitterフォローネットワークにおける潜在インフルエンサーの可視化 本間卓真,高枝佳男,鳥海不二夫,田中敦(山形大学大学院理工学研究科,株式会社toor,東京大学大学院工学系研究科,山形大学大学院理工学研究科)
18.ユーザーのリンク構築行動によるSNSのネットワーク生成ゲーム 福井思佳、鳥海不二夫、大橋弘忠(東京大学大学院)
19.スケールフリー情報のガウス型ネットワークによる符号化 岡本洋(富士ゼロックス(株)研究技術開発本部)
20.1/10サイズのAS間ネットワークのネットワーク形成シミュレーション 今井哲郎,田中敦(理化学研究所計算科学研究機構,山形大学大学院理工学研究科)
21.開放進化系の頑健性における普遍な転移機構について - 複雑性-多様性関係についての新たな一シナリオ - 島田尚(東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻)
22.多群順位統計量の時系列分析に基づく重要動画タグの検出 山岸祐己 斉藤和巳 武藤伸明(静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科)
23.重み付けされたネットワーク上で個体差が協力の進化に与える影響 石原純司(守田智研究室)
24.人気度を考慮した重要観光スポット抽出手法 伏見卓恭,斉藤和巳,武藤伸明,池田哲夫,風間一洋(静岡県立大学,和歌山大学)
25.政治トピックダイナミクスにおける関係性ビジュアリゼーション 澤井裕介、熊野雅仁、木村 昌弘(龍谷大学理工学研究科電子情報学専攻)
26.How do we prevent the distractive epidemic spread ?: A new analytical implication from complex network theory point of viewKiyotaka Ide, Akira Namatame(Department of Computer Science, National Defense Academy of Japan)Department of Computer Science, National Defense Academy of Japan
27.Diminishing the damage of cascading failures in complex networks Hoang Anh Q. Tran, Akira Namatame(Department of Computer Science, National Defense Academy of Japan)
特別企画
題目
「ネットワーク生態学シンポジウムの十年を振り返って」
概要
この十年間の活動を主査と会場の皆様とで懐かしく振り返り,今後の方向性について述べる
レクチャー公演
講演者
時田恵一郎(名古屋大学大学院情報科学研究科 複雑系科学専攻多自由度システム情報論講座)
題目
「ネットワーク科学と多様性の科学の交わり -サンプリング,中立理論,相互作用,個体数分布などの観点から-」
概要
巨大なネットワークは一度しか形成されず,他に同じものがない.そしてその様相はめまぐるしく変化し,時には崩壊してしまう.生態学者たちも,二度と出会えない複雑な群集ネットワークの中に普遍性やパターンを見出してきた.ある生態系の中にどのような種がどれだけいるかという「種個体数分布」はそのようなパターンのなかでも特に近年急激に研究が進んでいるもののひとつであり,その起源を集団遺伝学に基づく中立理論や複雑な相互作用をもつ力学系に見出そうとする研究が続いている.一方,そのような「分布」への視点は「次数分布」などネットワーク科学にも共有されており,実際,中立理論における個体群動態とBarabasiAlbertモデルのような複雑ネットワーク形成のダイナミクスは数理的にも関係が深い.そのような群集生態学とネットワーク生態学の対比を通じて,ネットワークのサンプリングの問題やネットワーク構造の特徴付けなどの,複雑ネットワークに対する数理科学的・統計力学的なアプローチを概観する.
講演者
林 幸雄(北陸先端科学技術大学院大学)
題目
「空間上の次世代ネットワーク設計法 -自己組織化の四本柱を中心に-」
概要
ネットワーク科学において, 空間上のネットワーク構築を考えたモデルが数年前から検討され, 特に中央制御を必要としない新しい構築原理から, 現実の多くのネットワークに潜む脆弱性を克服することが大きな課題となっている. 我々を取り巻く昨今の, 電力網,交通網, 通信網などは相互に依存し, 災害や豪雨などによる機能不全が深刻な事態を招いている. 本レクチャーでは, 空間上のネットワーク構築について現状の自己組織化法としての四本柱:Ⅰ.優先的選択, Ⅱ.リンクの淘汰, Ⅲ.再帰的分割, Ⅳ.部分コピーに着目してサーベイしながら, ネットワーク科学研究の進展とその先について概説する. 「自己組織化する複雑ネットワーク」(近代科学社)をテキスト本とします。