第19回 ネットワーク生態学シンポジウム
開催日:2024年2月28日(水)~29日(木)
開催地:長崎大学・医学部キャンパス・良順会館
開催日:2024年2月28日(水)~29日(木)
開催地:長崎大学・医学部キャンパス・良順会館
第19回ネットワーク生態学シンポジウムのポスター優秀賞は,参加者の投票により藤江 遼さん(神奈川大学)の「観測不能な他者の状態推測を考慮したネットワーク上の合意形成」に決定しました.
第19回ネットワーク生態学シンポジウムは,2024年2月28日~29日に長崎大学で開催を予定しています.
ネットワーク研究を始めようとする大学生,大学院生から,ネットワークについて造詣の深い研究者まで 幅広い層がお互いに刺激し合えるようになっておりますので,皆様ふるってご参加下さい.
ポスターセッションでは,「ネットワーク」に関わる 情報通信,統計物理,アルゴリズム,生物学,経済学,社会学などの分野からポスター発表を幅広く募集致します.
複雑ネットワーク(スモールワールド・スケールフリーモデル)
ウィルス拡散や連鎖的被害(停電、渋滞、倒産など)の防御策
Webポータルやコミュニティの抽出
企業等のソーシャルキャピタルの調査・活用,ブログ解析
情報空間の可視化
ネットワーク経済指標
ネットワーク中心性
SNS,口コミや情報流通
生物的・社会的メカニズムに誘発されたネットワーク設計
動的適応通信,自律分散システム
P2P,センサやアドホックネットワーク
自己組織化経営
発表申込締切:2024年 02月02日(金)【延長】02月09日(金)
発表者名,発表タイトル,著者リスト,概要200~300字程度
論文(Extended abstract)締切:2024年02月16日(金)【延長】02月23日(金)
( アップロード方法は発表申込者に別途通知します)
懇親会申込締切:2024年02月09日(金)
聴講申込締切:2024年2月28日(水)
シンポジウム開催日:2024年2月28日~29日
懇親会費
一般(教員,社会人など学生以外):5,000円(税込)
学生:1,000円(税込)
申し込み方法
懇親会申込用のフォーム:【懇親会申込】締め切りました
日時場所:長崎アザレア 2月28日18時~20時 ←左のように変更となりましたのでご確認ください
フォーマット:任意(A4サイズ)
1ページ目にタイトル,著者名,所属を含むこと
ページ数:2ページ
ファイル形式:PDF
提出用のフォーム:【提出先】
現地での物理展示ポスターセッションを開催予定です
フォーマット: A0サイズ推奨(縦長推奨.展示板は横900mmx縦1800mm)
2024年2月28日(水)
13:00~13:40 受付
13:40~13:45 オープニング
13:45~14:45 招待講演1
14:45~15:00 (休憩)
15:00~16:00 招待講演2
16:15~16:45 ポスター優秀賞記念講演
16:45~17:15 ポスターアピールタイム(1件1分30秒)
18:00~20:00 懇親会(長崎アザレア)
2024年2月29日(木)
10:00~12:30 ポスターセッション:
10:00~11:15 前半 奇数番
11:15~12:30 後半 偶数番
12:30~14:00 (昼休憩 / 幹事MTG)
14:00~15:00 レクチャー講演
15:00~15:15 (休憩)
15:15~15:45 ネットワーク科学勉強会(国際会議参加報告)
15:45~16:00 クロージング
講演者:翁長 朝功(九州大学)
タイトル:ネットワークゲーム理論:社会的拡散の数理モデル
概要:ゲーム理論は,複数の主体が意思決定を行う場合に行動結果を分析するフレームワークとして,経済学,政治学,工学などの分野で広く利用されている.現実社会の問題は,しばしば社会ネットワークで繋がった N 人のプレイヤーを伴い,この種類の問題はネットワークゲームと呼ばれる (Jackson and Zenou, 2015).しかしながら,その性質は未解明なことが多い.この講演では,ネットワークゲームについて概説するとともに,Zoomなどのコミュニケーション技術の拡散のモデルである,調整ゲームを例に分析法 (Kobayashi and Onaga, 2023) を紹介する.より一般的なクラスのゲームにアプローチするために,ゲームのポテンシャル関数およびレプリカ法を用いた新しい結果を紹介する.
講演者:朝日弓未(東京理科大学)
タイトル:マーケティングデータ利活用による価値の創出
概要:近年,テクノロジーの進歩により企業や消費者を取りまく環境は大きく変化してきている。従来マーケティングは直感や経験に基づき施策提案されるケースが多かったが、世の中に様々なデータが溢れてき、これらのデータを利活用することにより科学的なアプローチを持って消費者のニーズや欲求を理解していくようになってきた。企業が保有するデータは、多種多量である。今では、多くの企業がこれらのデータを統計的手法、AI技術により科学していくことで、実社会への応用を行っている。これまでの企業と教育・研究現場で行われてきたマーケティングデータの利活用に対する様々な取り組みについて紹介していく。さらに、データが潜在的に有する価値を明らかにし、その価値あるデータをマーケティングに利活用する可能性について考えていく。
講演者:杉山 尚 (静岡大学)/守田 智(静岡大学)
タイトル:SIRモデルを用いた道路網上での渋滞の表現
概要:交通現象をモデル化した交通シミュレーションにおいて、車の台数やその速度、信号の間隔など、交通流に関わる様々な要因を考慮した場合、計算量が大きく複雑なモデルとなる。そこで、先行研究(Saberi et al.(2020))では感染症の流行を表す SIR モデルにより、渋滞の拡散と解消が単純なパラメータのみで表現できることを示している。本研究では、先行研究でのモデルを日本の道路網に適用した結果と、モデル上での渋滞拡散の法則を示し、その妥当性を検討する。加えて、道路の角度と渋滞伝播の関連性に着目した新たなモデルを提案する。
P01:得点・失点前後におけるパスネットワークの変動分析:益留琢磨(静岡大学)/福嶋克茂(静岡大学)/中村颯真(静岡大学)/宮川大樹(静岡大学)/一ノ瀬元喜(静岡大学)
P02:ネットワークの中心性と混雑の関係:田村和広(静岡大学)
P03:粘菌モデルにより構成されるネットワークの耐故障性-粘菌中心性による分析-:河戸幾利(都立産技高専)/山本哲也(都立産技高専)
P04:観測不能な他者の状態推測を考慮したネットワーク上の合意形成:藤江遼(神奈川大学)
P05:神戸市中心部デジタルツインと帰宅困難者シミュレーション:楳本大悟(RIKEN R-CCS)/菊池麻衣子(NTT DOCOMO, INC.)/照井彩子(NTT DOCOMO, INC.)/安部孝太郎(NTT DOCOMO, INC.)/土居奈々子(NTT DOCOMO, INC.)/小林実季(NTT DOCOMO, INC.)/伊藤伸泰(RIKEN R-CCS)/ 野田五十樹(RIKEN R-CCS, 北海道大学)
P06:知識複雑性指標による日本国内の法人の評価:辛嶋凜太郎(兵庫県立大学)/井上寛康(兵庫県立大学大学院)
P07:ネットワークの部分自己相似性:坂本信仁(北海道大学)
P08:全国の住宅団地およびニュータウンにおける人口動態に関する研究:戸谷爽太郎(ブリヂストン,東北大学)/坪井和史(東北大学)/藤原直哉(東北大学)
P09:敵対的攻撃のある投票モデルのネットワーク中心性を用いた拡張:加藤聡恵(静岡大学)/守田智(静岡大学)
P10:UWBタグを用いた屋内位置測位技術による集団特性の調査:進藤颯仁(京都大学)/大木有(京都大学)/水本憲治(京都大学)/齋藤敬(京都大学)
P11:ネットワークの構造における重みの扱いと分散表現学習:劉庶(東京大学)/鳥海不二夫(東京大学)
P12:空間ネットワーク上の小売店立地ダイナミクスの数理モデル:田嶋廉(東京大学)/島田尚(東京大学大学院)
P13:経路コストモデルによるサッカーの選手配置評価:栗原柾由(東京大学)/木下慶悟(東京大学大学院)/島田尚(東京大学大学院)
P14:断片化されたネットワークの統合による最大流相乗効果:江崎貴裕(東大先端研)/井村直人(東大先端研)/西成活裕(東大先端研)
P15:オピニオンダイナミクスにおける意見操作:中条雅貴(東京大学)/鳥海不二夫(東京大学)
P16:Estimating Political Positions from Twitter Contents Using Multilingual Text Embeddings and Graph Neural Networks:Jinghui Chen(Graduate University for Advanced Studies)/Takayuki Mizuno(National Institute of Informatics)/Shohei Doi(Hokkaido University)
P17:政策文書における引用論文リッチクラブ:岩田由理恵(東京大学)/浅谷公威(東京大学)/坂田一郎(東京大学)
P18:職場組織における感謝行動の同類化:武智愛未(広島市立大学)/今井哲郎(広島市立大学大学院)
講演者:山本 太郎(長崎大学)
タイトル:感染症を考える:歴史や人の視点から
概要:なぜ、ある感染症が流行したのか、あるいはするのかを、私たちはこれまで考えてきました。例えば、ヒトの移動、労働キャンプ、都市化、歪な性比などの要因がHIVを流行させたと考えてきたのです。しかし今、その「考え方」は「逆」ではないかと思い始めています。病原体が流行するか否かを選択するのではなく、「ヒト社会」あるいは大きく「ヒト社会のあり方」が病原体を選ぶのではないかということです。別の言葉で言えば、ヒト社会での流行を望んで、いつの時代も、多くのウイルスや細菌が、恒常的な挑戦をしている。その中から、どのウイルスや細菌が流行するかを選択しているのは、ウイルスや細菌ではなく、「ヒト社会のあり方」なのではないかということです。エイズの例で言えば、ウイルスは長く、ヒト社会へ、そのかすかな痕跡を残して消えていた。それが一九二〇年代初頭の社会状況の中で、偶然にも、足場を確保した。当時、ヒト社会へ、流行の機会を伺って挑戦していたウイルスや細菌は、HIV以外にもあった。また、HIVも一九二〇年代初頭以外の年にさえ、何回かの偶発的な機会を持っていたはずである。すなわち、ある感染症がある時期の、ある状況下において流行するには、流行する理由―――ヒト社会のあり方―――があるのである。といったことかもしれない。古くは、中世ヨーロッパの十字軍や民族移動によってもたらされたハンセン病。一八世紀産業革命が引き起こした環境悪化が広げた結核。植民地主義と近代医学の導入がもたらしたエイズ。こうした感染症は、私たち人類の「社会のありよう」が呼び込み、蔓延させた感染症と言えるのではないでしょうか。そんな話をしてみたいと思います。そして最後に、医学のパラダイムシフトについても。
講演者:中条 雅貴 (東京大学)
タイトル:国際学会参加報告 〜NetSciとComplex Networks〜
概要:複雑ネットワークを中心とする国際学会として夏のNetSciと冬のComplex Networksがある。本発表では2023年に開催されたこれらの国際学会について報告し、複雑ネットワークコミュニティにおけるトレンドを議論する。