情報処理学会ネットワーク生態学シンポジウム


ポスター一覧

  • 8月3日15:30-17:30:奇数番コアタイム
  • 8月4日13:00-15:00:偶数番コアタイム
1.複数レイヤー社会ネットワークモデル
村瀬洋介, Janos Torok, Hang-Hyun Jo, Kimmo Kaski, Janos Kertesz(理研AICS, CREST JST, Central European Univ., POSTECH, Aalto Univ.)
本公演では社会関係のネットワークを複数レイヤーネットワークで表現したモデル [1] について発表する。
近年の ICT の発展により社会における様々なデータが 電子化され、データの大規模な解析による社会現象の研究が可能になってきた。例えば近年の携帯電話の通話記録の大規模な解析により社会学者 Granovetter が提唱した”The strength of weak ties”仮説が検証されている。このような特徴を持つネットワークを再現するシンプルなモデルとして Kumpula らにより提唱されたモデルがある。[2] このモデルはGranovetter型のコミュニティ構造を再現することに成功したものの、各ノードがある単一のコミュニティに属する比較的単純なネットワーク構造になることが多い。しかし現実にはコミュニティは互いに重複し、あるノードが複数のコミュニティ(親族、同僚、趣味仲間など)に同時に所属することがよく見られる。我々はそのような重複したコミュニティ構造を再現するため、複数レイヤーの重ね合わせとして表現するモデルを提唱した。
また時間が許せば、リンク消滅の様相が社会ネットワークに及ぼす影響についての研究 [3]や、我々が開発している大量のシミュレーションの実行を効率的に管理するソフトウェアOACIS[4]についても簡単に紹介したい。
[1] Y. Murase et al., Phys. Rev. E, 90, 052810 (2014)
[2] J.M. Kumpula et al., Phys. Rev. Lett, 99, 228701 (2007)
[3] Y. Murase et al. arXiv:1505.00644 (2015)
[4] Y. Murase et al. Physics Procedia 57, 73 (2014) https://github.com/crest-cassia/oacis
2.片方向バイパスを持つラダーネットワークにおけるブライスのパラドックス
小倉史帆 豊田規人(北海道情報大学)
本研究ではラダー型のネットワークにおいてブライスのパラドックスが起こり得るかどうか考察した。バイパスの向きは片方向であると仮定している。コンピュータシミュレーションによってナッシュフローを求め、バイパスの流量がノントリビアルな場合において、ブライスのパラドックスが起こり得ることを示した。
3.辺活性化メカニズムに基づくネットワーク生成モデル
関和紀,中村政隆(東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系)
人間関係ネットワークやコンピュータネットワークなどに代表される多くの実ネットワークは, スケールフリー性, クラスター性, スモールワールド性, 明確なコミュニティ構造という4つの性質を共通して持つことが知られている. 本研究では, Barabasi-Albertモデルにおいて用いられている「成長」「優先的選択」の2 つのルールに, 「ネットワーク中のある辺が活性化すると, その周辺で新たな辺が発生する」というルールを加えて生成したネットワークが, これらの性質をすべて満たすことを示す. この結果は, 現実のネットワークの生成過程においてこれらのルールが重要な役割を果たしている場合がある可能性を示唆している.
4.解像度変調に基づくコミュニティ階層構造の導出
邱 シュウレ, 岡本 洋(富士ゼロックス(株) 研究技術開発本部 )
現実世界の多くのネットワークのコミュニティ構造には階層性がある。しかしながら、コミュニティ階層構造をネットワークから効果的・安定に抽出する方法はまだ確立されていない。我々は、ランダムウォークの枠組みに基づいて、コミュニティ分解の解像度を準静的変化させることにより、コミュニティ階層構造を導出する機械学習アルゴリズムを構築した。ベンチマークネットワークを用いた評価実験を行い、提案アルゴリズムが従来方法よりも安定かつ効果的に階層構造を抽出することを示した。さらにこの方法を用いて、実際の社会ネットワークのコミュニティ階層構造がしばしば非木型になることを発見した。
5.分割データによる回遊行動変化の検出
鈴木優伽,斉藤和巳,風間一洋(静岡県立大学,静岡県立大学,和歌山大学)
本研究では,回遊行動データを時期で分割したデータを用いて,
データ全体に対する,ある時期の回遊行動の差分を検出することを目指す.
回遊行動の時期による変化を捉えることができれば,
より実際の回遊行動に沿った回遊行動モデルを構築が可能であり,
観光情報推薦技術や,サービス工学と観光情報学の融合研究への貢献が期待できる.
6.教師生徒型強化学習におけるアドバイスのための複雑ネットワーク/Complex network for advice in reinforcement learning
石井 良 , 須鎗 弘樹/Ishii Ryo , Suyari Hiroki(千葉大学大学院融合科学研究科/Chiba University Graduate School of Advanced Integration Science)
2014年,2つのエージェントが順番に強化学習を行い,先に学習を終えたエージェントが後に学習を始めるエージェントにアドバイスを行う「教師生徒型強化学習」が提案された.
この手法は,アドバイスを行うことで学習効率の向上を調べることを目的としており,論文内でいくつかのアドバイス方法が提案されている.
しかし,それらが最も良いアドバイスであるとは限らない.
そこで,本論文ではより良いアドバイスの方法を見つけるために,複雑ネットワークの利用を提案した.
学習を行う際に複雑ネットワークを構築し,ネットワークから得られた情報をもとに,アドバイスを行う.
7.自己中心トライアド変化曲線によるユーザ分析
西 可南子,斉藤 和巳, 池田 哲夫,大久保 誠也(静岡県立大学)
本論文ではネットワーク成長過程における自己中心トライアド数の時系列変化に基づく高中心性ユーザ分析法を提案する。@cosmeサイトから収集した実データを用いた実験では、提案法による分析により、ページランク上位ユーザと、リンク向きを反転させたネットワークでの上位ユーザとでは、それぞれで異なる顕著な特徴が見いだせることを示す。
8.流動性ショックの伝播とコール市場の脆弱性
赤堀 晃平(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻)
コール市場における流動性ショックの伝播を解析した.特に,特定の金融機関において生じたデフォルトがコール市場全体へ及ぼすインパクトに着目した.また,二重構造のネットワークを仮定した仮想的なコール市場において,伝播過程のシミュレーションを実行した結果,以下の二点が示唆される.第一に,完全な二重構造を仮定した場合,初めにデフォルトした金融機関に隣接するハブの存在がインパクトの大小に寄与する.また,デフォルトした金融機関の債務総額が小さい場合にも,多大なインパクトを与える可能性があるため,債務総額が小さい金融機関においても,注意する必要がある.第二に,二重構造の完全性により,インパクトの傾向が大きく変わる.不完全な二重構造になるにつれ,上記の傾向は薄れる.従って,現実のコール市場の構造を一概に二重構造と結論付けることに問題提起する.
9.レビュー評点時系列データの区間分割に基づく時期的信頼を考慮したランキング手法
山岸 祐己,斉藤 和巳(静岡県立大学)
レビューサイトにおけるレビュー対象オブジェクトのランキングは,殆どの場合,
レビュー投稿数やレビュー平均評点といったナイーブなソーシャル情報や,
公表されていないサイト独自の手法,とりわけユーザ依存の信頼を用いたものによって生成されている.
確かに,ランキングの秩序を守るためには,独自の方法で信頼性の低いユーザのレビュー情報を淘汰し,
その手法を公表しないというのも重要であるが,その不透明性故に,ユーザがランキングの信頼性を懸念する
可能性も大いにある.よって,既存のランキングに対する代替案の一つとして,ユーザ依存の信頼ではなく,
オブジェクト依存の時期的な信頼を考慮し,ナイーブなソーシャル情報
のみに依存しないような,統計モデルに基づくランキングを提案する.
この提案手法を実現するために,我々はレビュー時系列データの評点分布の変化に着目し,
多項分布モデルを仮定した尤度比検定の枠組みで,時期的な信頼を考慮したデータの区間分割を試みる.
10.Greedy Growth Modelを用いたネットワーク構造と社会現象の分析
臼井翔平,鳥海不二夫(東京大学大学院)
近年,多くの現象がネットワークを介する事によって理解されるようになり,ネットワーク分析が多くの分野で注目されている.しかし,これらの研究において,ネットワークの構造は軽視されている.多くの場合,単純なネットワークを用いられる.一方で,現実のネットワークを大量に集める事は困難である.したがって,様々な構造のネットワークが大量に含まれたデータセットが人工的に生
成する必要がある.
そこで我々は任意の構造を持つネットワークを生成する手法として,我々は
Greedy Growth Model(GGM) を提案した.
GGMによって様々な構造を持つネットワークを生成し,その上で様々な社会現象をモデル化してエージェントシミュレーションを行うことで,ネットワーク構造との関係を分析する.
11.スケールフリー分布生成モデルの適応度依存性
荒関 仁志(日本大学大学院総合社会情報研究科)
BA モデル以来、様々なスケールフリー分布を生成するモデルが提案されている。
しかし、その多くのモデルがスケールフリー分布以外の性質を説明することはない。
また、適応度モデルなどの多くの研究では、ノードの特徴である適応度が、ネットワーク生成過程で不変であるため実問題への応用が難しい。我々は、以前スケールフリー分布生成モデルを最適解探索問題(遺伝的プログラミング)の選択則に応用することで、最適解探索に有効であることを示した。ただし、適応度不変なモデルを適応度が変化する問題に応用したため、最適解探索の性能やスケールフリー分布を生成への適応にはパラメータなどの調節が必要であった。
本研究では、最適解探索とスケールフリー分布生成に有効な可変適応度モデルを
紹介し、進化計算での有効性を議論する。また、進化計算の結果、本提案モデルでは、より自然な探索メカニズムが創発されたことを報告する。
12.ボンド・サイト同時破壊に対するネットワークモデルの頑健性
伊東啓 赤池祐樹 守田智 吉村仁(静岡大学)
大規模な自然災害が発生した場合、通信網の機能維持は重要な課題である。災害時の通信ネットワーク網は、基地局(サイト)とケーブル(ボンド)が被害を受けることで分断されてしまう。このようなネットワークの脆弱性は、被害を受けるサイトやボンドの数だけでなく、ネットワークの性質・構造に大きく依存すると考えられる。本研究では、様々なネットワークの構造において、サイトとボンドを同時破壊することによって、災害規模(破壊の程度)に対するネットワークの分断化の度合いを定量化し、検証する。そして、様々な破壊に対して頑健なネットワーク構造を提案する。
13.航空交通ネットワークにおけるバースト性
伊藤秀剛、西成活裕(東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻)
バースト性は様々なネットワークで普遍的にみられる性質の一つである。本研究では、社会システムの一つである米国の航空交通ネットワークのバースト性について解析を行った。その結果、米国のハブ空港の飛行機の離陸・着陸は普遍的にバースト性を持つことが示唆された。また、そのバースト性の起源について考察を行った。
14.複雑ネットワーク上の自己回避ランダムウォークのシミュレーション
史 興, 豊田 規人(北海道情報大学)
Watts-StrogatzネットワークとHolme-Kimネットワーク上で自己回避ランダムウォークのシミュレーションを行い, 成功率, 目的ノードまでの平均経由ノード数などを評価し, その結果を考察する.
15.国内旅客純流動データに基づくエージェントベースドSIR感染シミュレーションに関する研究
井手清貴, 生天目章(防衛大学校)
昨今のエボラウィルスやMARS等の強毒性かつ感染力の高い感染症の流行は感染症リスクを改めて表面化した。また、個人レベルの移動・接触データの蓄積や計算機能力の飛躍的向上は感染症流行の数理モデリングとシュミレーションの実社会への活用を更に後押ししている。本研究は国内旅客純流動データを用いて、SIR感染拡散モデルをエージェントベースドシミュレーションで実装し、結果を評価することを目的とする。実施にあたり、まず、国内旅客純流動データをもとに、都道府県間の旅客移動ネットワークを作成した。次に、各都道府県エージェント型を作成し、人口密度データに基づいて、人(ヒト)エージェントを配置した。配置された人エージェントは未感染(Susceptible、S)、感染(Infected、I)、及び回復(Recovered、R)のいずれかの状態でランダムウォークする。その際、感染状態の人エージェントは一定の距離内に入った未感染状態の人エージェントを感染確率βで感染状態に変える。また、感染状態の人エージェントは治癒確率δで回復状態に変わる。さらに旅客移動ネットワークの重みにしたがって各状態の人エージェントは各都道府県間を移動する。また、シミュレーションに使用するパラメータは各都道府県の感染症サーベイランスデータをもとに補正し、シミュレーションの精度を高めた。さらにシミュレーション結果とネットワーク分析の指標を比較し、関連性を調査した。
16.隣接関係を考慮したノード群へのアノテーション付与法
伏見卓恭,佐藤哲司,斉藤和巳,風間一洋(筑波大学,筑波大学,静岡県立大学,和歌山大学)
本稿では,ネットワークにおけるノード同士の隣接関係を考慮した,ノード群へのアノテーション法を提案する.
具体的には,各ノードの特徴ベクトルが与えられたとき,距離に応じて減衰させながら,隣接ノードの特徴ベクトルを加算していく.
これにより,隣接関係にあるノードは類似した特徴ベクトルになりやすくなる.
加算した各ノードの特徴ベクトルをクラスタリングすることにより,隣接関係を考慮した特徴量に基づくクラスタを得る.
Zスコアを用いて,各クラスタに統計的有意に出現する特徴量を抽出し,そのクラスタにアノテーションを付与する.
単純に特徴ベクトルをクラスタリングするだけでは,ノード間の隣接関係を考慮できない.
また,CNM法などにより抽出したコミュニティに対し,Zスコアで特徴量を抽出した場合では,
コミュニティ内に異なる特徴ベクトルを有するノードが存在するケースに対応できない.
Webページのハイパーリンク構造,TwitterのReply関係,Cookpadのつくれぽ関係,レビューサイトにおけるユーザフォロー関係などを用いた評価実験より,
提案手法が,上述した単純な手法では困難である,隣接関係とノード群の特徴量を考慮したアノテーション付与が可能であることを示す.
17.Systemic risk propagation in bank-asset network: new perspective on Japanese banking crisis in the 1990s
1. Yohei Sakamoto, 2. Irena Vodenska(1. Kyoto University, 2. Boston University)
The Japanese banking crisis in the late 1990s has been considered a significant turning point in the history of Japanese banking system. This period has attracted researcher's interest to study the increase of bad debt on Japanese banks' balance sheets leading to the crisis of the 1990s. Here we investigate the risk propagating through a bipartite banking network consisting of two kinds of nodes: assets and banks. Using Cascading Failure Model (CFM) for describing the propagation of failures in the network, we attempt to understand the main culprit provoking the crisis and the systemic conditions for amplifying or repressing the ``chain reaction'' of bankruptcies. We found that the asset ``Loans on Bills'' is not only the main culprit for the Japanese banking crisis of 1990s but also a critical separator for banks' survival. An abrupt change of the number of bankruptcies is also observed for a small changes of liquidity of the assets. This indicates that it is important to consider not only individual banks' asset portfolios but also the connections between banks for protecting financial institutions against cascading failures.
18.ネットワーク構造の一意的代表表記法について
川原正人(なし)
様々なネットワーク性能についてネットワーク構造を最適化する時、同一構造でも異なるネットワーク構造表記が数多く存在するため、構造に一意対応する構造表記がないと、著しく最適化の効率が落ちてしまう。ここでは、あまり計算時間がかからない、ネットワーク構造の一意的代表表記法を紹介する。
19.混合パターンに基づくネットワークの類似構造分析
アリフ マウラナ  斉藤 和巳  池田 哲夫  渡邉 貴之  湯瀬 裕昭 (静岡県立大学 静岡県立大学 静岡県立大学 静岡県立大学 静岡県立大学 )
複数の大規模ネットワークの類似度構造の分析は,多様な応用問題に内在する基本課題である.本研究で は,各地域の道路網に代表されるような,各ノード次数が低いネットワークを対象として,ネットワーク の類似度構造を分析する手法を新たに提案する.実験では,オープンストリーマップサイトから収集した 各都道府県道路網のネットワークにより,提案法の有効性を検証する.
20.ソーシャルネットワークにおける感情の伝播
横山直敬,牧野浩典(東海大学大学院工学研究科情報理工学専攻)
TwitterやFacebookに代表されるソーシャルネットワークサービスの普及によって個人による情報の発信が活発に行われるようになった.サービスの利用者に関する情報と投稿された文章はサービスを提供する側が公開しているAPIによって誰にでも容易に収集することができる.利用者が投稿する文章には利用者自身の感情を伴う表現が含まれており,自然言語処理によって文章に含まれる感情概念を抽出することが可能である.
本研究の目的は収集した投稿文を感情語辞書を用いて分析することで利用者自身の感情の傾向を明らかにするとともに,利用者とそのフォロワーによってつくられるネットワーク内での感情概念の伝播の性質を解明することである.今回の発表ではまず利用者自身の感情の傾向を1か月分の投稿文を用いて分析した結果を述べる.次に,投稿文から得られる利用者とそのフォロワーの間の感情概念の類似度について報告する.具体的には利用者とフォロワーが1か月間に投稿した文章を形態素に分け,感情語辞書を用いて文章が示す感情概念を10次元のベクトル空間で表現,利用者と各フォロワーの感情概念ベクトルから相関関数を計算し,相互の類似度を算出することで同一のネットワークに属する利用者の感情の傾向が類似していることを明らかにする.
21.ソフトクラスタリングを用いた情報分類
馬場正剛†、鳥海不二夫†、榊剛志†、篠田孝祐††、栗原聡††、風間一洋†††、野田五十樹††††(†東京大学、††電気通信大学、†††和歌山大学、††††産業技術総合研究所)
震災時には適切な情報収集が重要である。例えば、被災者は避難所や危険地域などに関する情報を集める必要があり、救援者は募金やボランティアに関する情報を必要としている。しかしながら、そのような立場に応じて必要とされる情報を、TVやラジオなどの一般的情報を提供するマスメディアから取得するのは難しい。一方で、ソーシャルメディアは震災時にそのような情報の提供源として注目を浴びてきており、特にTwitterが有用であったとの報告が多数存在する。Twitter上には莫大なTweetが存在しており、そのような個別な情報を提供するためには、Tweetを内容ごとに分類することが求められる。分類する際には、択一的分類が適さないTweetが存在する。例えば、炊き出しや救援物資に関する情報は被災者、救援者の両者が必要としていると考えられる情報であり、択一的に一者が必要としている情報と分類するのは不適切であると考えられる。そこで、本研究では、RTが構築するネットワーク構造に注目して、震災時に投稿されたTweetのソフトクラスタリングを行う。
22.非負値スパーステンソル因子分解の高速化
松林達史,澤田宏(NTT)
非負値テンソル因子分解の高速化手法に関する考察とその応用例に関して議論を行う
23.日本国内の航空ネットワーク:構造と脆弱性
トラン アン,井手 清貴,生天目 章(防衛大学校,情報工学科)
今日の社会においては,多くの重要な交通網が存在している.これらの交通網は,人流,物流,そして感染症の伝搬に重要な役割を果たしている.特に,これまで,航空ネットワークの構造やネットワークレジリエンスを理解するのは,重要な課題となってきた.本研究は,国土交通省の航空輸送統計年報データを用いて,日本国内の航空ネットワークを構築し,ネットワーク構造と脆弱性に着目した.分析結果により,日本国内の航空ネットワークは,次数分布がベキ分布,重みの分布が対数正規分布であることが分かった.また,ネットワーク内に幾つかのハブ空港が存在して,ハブ同士がお互いに連結し,ネットワークのコアを形成し,その他の周辺空港はこのコアに接続するというコア・ペリフェリ構造を示した.シミュレーション結果により,ネットワークのコアにある任意の空港が故障した場合,ネットワークレジリエンスに膨大な被害を与えるという脆弱性を示した.
24.産業連関ネットワーク解析のための疎化処理と閾値の関係について
土中哲秀 小野廣隆(九州大学)
産業連関ネットワーク分析において,重要な部分構造(組合せ構造)抽出が必要とされる場面が多く存在する.しかし,そのような部分構造抽出問題は多くの場合,計算論的な難問であることが多く(NP困難),産業数が数百程度のネットワークでも素朴なアルゴリズムでは解析が不可能となる.一方,グラフアルゴリズム論の発展により,一般にはNP困難であるような問題であっても木幅と呼ばれるグラフパラメータが小さなグラフでは,多くの構造抽出問題を高速に解くことができることが知られている(木幅に関する固定パラメータアルゴリズムが存在).本研究では,産業連関分析ネットワークにこれら高速アルゴリズムを適用するための前処理法について考える.一般に産業連関分析ネットワークは木幅が大きく,そのままでは木幅に関する固定パラメータアルゴリズムは適用できない.そこで,本研究ではネットワークの辺重みに閾値を導入し,閾値未満の重みの辺を削除することにより,対象となるグラフの木幅を小さくすることを考える(グラフ疎化).この際の閾値の選択によっては分析対象となる構造まで壊しかねない.本研究ではグラフのクリーク値をバロメータとした,適切な閾値導入について考察を行う.
25.どのようなネットワークのときに利他行動は進化しやすいか
黒川瞬、井原泰雄(無所属(黒川瞬)、東大院理(井原泰雄))
利他行動は、自分の繁殖成功度を下げて、相手の繁殖成功度を上げる行動なので、自然選択の観点から考えると、その存在は説明を要する。利他行動の進化は「進化生態学」の主要なテーマと長い間考えられており、様々なメカニズムが提起されてきたが、その内の一つとして「ネットワーク」があげられる。利他行動を行う個体と利他行動を行う個体が出会いやすく、利他行動を行わない個体と利他行動を行わない個体が出会いやすい状況を生み出す「ネットワーク」があれば、利他行動を行う個体は、利他行動を行うことによってコストがかかるものの、利他行動をしてもらうことによってベネフィットが得られるので、利他行動は進化するのである。しかし、これは2者間での関わりにおける議論であり、3者間以上が関わる場合に、どのような「ネットワーク」が利他行動を促進するのかは明らかではない。今回私たちは、3者間が関わる場合において、極めて一般的な数理モデルを作って解析をし、どのような「ネットワーク」が利他行動を促進するかを明らかにする。本研究は、生物の進化を念頭においた研究であるものの、「ネットワーク」に関わる情報通信、統計物理、アルゴリズム、経済学、社会学の研究者方の研究の一助にもなると期待する。
26.BA モデルにより生成されたネットワークに対する伝搬速度限定モデル情報伝搬シミュレーション
谷 聖一,枝國 雄太,香取 秀柄,逸見 優聡,豊泉 洋(日本大学文理学部,早稲田大学会計研究科)
有限ネットワーク上の情報伝搬において,ネットワーク全体に情報が行き渡るまでの時間は,情報を保持する頂点が隣接する頂点の中から情報の伝搬先を選択する方法に依存する.単位時間に定数個の頂点にのみ情報を伝搬できる伝搬速度限定モデルにおいて,Uncorrelated 性を持つランダムネットワークでは,次数の逆数に比例する確率分布に従い伝搬先の頂点を選択する方法が,ネットワーク全体に情報が行き渡るまでの平均時間が最小になると証明されている [TTMO].この結果が BA モデルにより生成された個々のネットワークにおいても成り立つかを検証するため,情報伝播シミュレーションを行った.本ポスター発表では,このシミュレーション結果を示す.シミュレーションでは,BA モデルによるネットワーク生成における頂点追加時に追加する辺数が 3 以上の場合は,次数の逆数に比例する確率分布に従い伝搬先の頂点を選択する方法が優位であった.
[TTMO] H. Toyoizumi, S. Tani, N. Miyoshi, and Y. Okamoto, “Reverse preferential spread in complex networks,” Phys. Rev. E, vol. 86, p. 021103, Aug 2012.
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5.分割データによる回遊行動変化の検出
16.隣接関係を考慮したノード群へのアノテーション付与法
が入れ替わっています.ご注意ください.